さて、今月も買った本&読んだ本のご紹介なと。



漫画



待ってましたー。4巻。相変わらずののんべんだらり具合ですが、徐々に単なるぐうたら暮らしの様子だけではなくなってきました。迫る現実…。


さて、今月のいくえみ綾タイム。



漫画家になったかつての同級生の手伝いをする事になった主人公(フリーター)の悲喜こもごも。
結末もお約束の少女漫画どおりでないところが、いくえみ作品の良いところだよなあ。



こちらは珍しい超能力者もの。主人公の双子ちゃんが可愛い。
んだけど、このラストはアリなのかー? 途中で不人気打ち切りだったのかしらんとか邪推してしまう。猫はかわいいのでいいものです。




父ひとり子ひとり+日常飯 というと高杉さん家のおべんとうにちょっと似てるところがあるかなあ。(こっちは叔父+姪だけど)
保護者がご飯なんてロクに作らなくって、そこから徐々に子供と共に成長していくという図式は一緒ですね。

本作の方はメニューも特に珍しいものはないですし、ストーリーも日常系ほのぼの展開です。
でも圧倒的に飯が美味そうです。2巻のドーナッツはかなりテロレベル。
3巻も多分買いますね。




エッセイ

コミックエッセイ2連発。


旅の達人・森井ユカさんの旅の仕方ガイド本。
これは一体ジャンル的に、旅行記なのか、コミックエッセイなのか、本屋をうろうろしましたw
結論からいうと、旅行ガイドの棚にありましたね~。
実際のところ内容としてはガイドの役割が大きいですが、森井さんがあちこち行ってみた話の方もあり、面白いですよ。
ちょいちょい読み返しては、旅に出たくなる気持ちを育てています。


グレゴリさんの絵柄が正直ちょっと苦手なんですが、内容としては京都ネイティブとしての役立ち情報が満載でした。
営業妨害になるから書かないのでしょうが、作中に出てきた”いけず”をするお店がどこなのか、気になったりして…。



特殊清掃と呼ばれる仕事を営む筆者が書いているブログの書籍化。
Twitterかどこから感想を見かけて、ずっと気になっていたので読みました。
基本的には、やはり怖いもの見たさが先行して読み始めましたが、刺激的な事はそこまでなく、淡々と事実を見つめている文調が良かったです。
また基本的に生きている人間(本書では大抵残された人間や死者に関わっていた人間)への考察が多く、普段あまり考えないようにしていた事を思い出せてくれる作品でした。


小説


個人的にホラーはあまり読まないのですが、この作品はホラーの皮をかぶった現代童話という印象でした。
まどマギもそうですけど、魔法や魔女にセットでついてきがちな仄暗い感じに、子供の残酷な純粋さを足したような内容です。

ホラーなので、やっぱりあっさり人が死にます。
何だか一番響いたのは、次の箇所。

短編仕立ての4章め、主人公の安藤さん(小学生女子)の同級生のお父さんが亡くなってしまい、
そのお父さんを魔女であるぬりえちゃんに生き返らせた方がいいんじゃないか? と意見を訴えるも、ぬりえちゃんにはやんわりと却下をされる。
さらには主人公は同級生自身にも「魔法で生き返ってほしい?」と尋ねるが(残酷ですね)、彼女が当初思っていたのとは違う答えが返ってくる。
その後、彼女に対してぬりえちゃんがその事について話すシーン。

「事故で死んだんだねMさんのお父さん。ただの事故ならよかったけれど。例えばそれが自殺だったら、ただ生き返してもまた死んじゃうかも知れないね。死にたくなった理由も消してあげなきゃ。
(中略)やり直せば今度はうまくいくのかな。死んだ家族とまた暮らすの。お殿様みたいに。またおいそれと死なないように」

「自分からこれしてくれと、いってくる簡単なことでも(中略)こっちからどこまで何をしてあげるかというのは、難しいような遠ざかるような、私の願いじゃないものだから、上手に線を引きかねてしまうよ。」

こんな会話もしている一方で、原宿でキャッキャウフフ言いながら喪服を選んだりする2人の描写があったりなどと、アンバランス感が溜まりません。
(でもって主人公がこう言いはった理由がすごいです…)
他の章では、ぬりえちゃんが泊まりに来た夜中に、スノードームの水を街に満たして二段ベッドで漕ぎだす話などがあって、まるでお伽話のようでもあり…。
文体にちょっとクセがあるものの、かなりオススメの作品でした。




なんだか怖いタイトルの2作のあとに、ほのぼの系小説を。
チマキという猫が主人公で、彼から語られるちょっと変わった一家のごちそう話です。
出てくるご飯は普通で、でもとても丁寧で特別なものが多いです。

作品は全体を通じて、

…おじいちゃんがふるまってくれたのは、たらのすり身のふわふわ団子だった。
たらと山の芋と地粉をすり鉢ですって、ふっくらさせたのをスプーンですくって昆布とかつおのだしの澄ましの中へ落とすのだ。


とか、

…黄身をつかった「にゃんごはん」の献立もある。カガミさんは、炒めた鶏の挽き肉に黄身をませて、だしでのばしてとろとろに蒸してくれる。
あじつけはなにもしていないのに、卵の甘味と肉の旨味がとけあって、なんともいえず幸せな気分になる。肉を炒めているときの、じゅうじゅうはねる脂の音がまたかくべつなんだ。


とか! …とか!
とにかくご飯が主体の作品です。このレシピ本だけを別に発行して欲しいくらいだよ。


3月はこんなところです。
デハデハー。